-野外観察の手びき-浜通りの地層と川原-009/170page

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がわかります。白坂層堆積の時代は,海進がさらに進み,水深も最高になります。
6.ステゴロホドン象の足あと(新第三紀2600万年〜200万年前)

中新生初期の海のようす
中新生初期の海のようす

新第三紀に入ると東北日本の日本海側から沈降し始め,海進をうけるようになり日本海側は・火山噴出物である凝灰岩が厚くつもり,太平洋側は阿武隈山地から運ばれた非火山性の砂や礫や泥が堆積しました。この地殻変動をグリーンタフ変動と呼んでおり,中新世中期〜後期(1650万年〜900万年)にかけて,日本海側と東北日本地域では海進がピークに達し日本列島地域はほとんど海となり,そこに,大小の島が点在するような島国になりました。
いわき地域で,新第三紀初期の最初の堆積物は,褐炭をはさむ砂層と,頁岩の互層で,四倉町紫竹,遠野町,滝及び黒田盆地に分布しています。中新世中期〜後期にかけ海進が進み,沿岸相の堆積環境を示す中粒の砂岩層が堆積し,小川町では厚さも100m以上となり,山砂として掘り出されています。この地層は,北は富岡町から南は茨城の磯原市まで広く分布しています。
その後も水深を増しつづけ,地層は砂質頁岩から頁岩層へと岩質が変っていますまた,この時期の末期に石森山頂近くで海底火山がおこり,安山岩質溶岩を噴出しました。その後,地盤の隆起などにより.海は退いて一部陸化しました。
中新世の末期(900万年〜600万年前)になるとふたたび海進が起りました。この海進を多賀海進と呼んでいます。その頃,棚倉破砕帯が最も活発に活動し,中新世の堆積層をズタズタに切ってしまったのです。
一方,相双地域では,中新世初期の褐炭を含む地層が・原町市西方7q付近を南〜北方向に伸びる双葉断層線に沿って,中生層と古生層にはさまれ帯状に分布してい


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