-野外観察の手びき-浜通りの地層と川原-010/170page

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ます。
中新世中期から後期にかけて,海進が進むと現在の相馬市や,原町市などの平野部は,海底となり砂岩や砂質泥岩が堆積しました。相馬市では,基盤の花崗岩の上に120mの厚さの地層が堆積しました。
鮮新世に入っても,浅くなったり深くなったりの海退や海進を繰返しながら,相馬市では砂層をはさむ砂質泥岩が,さらに170mも堆積しました。この地層の年代は,北は仙台市の八木山の竜の口層の年代に相当し,南は,いわきの多賀層群に相当すると考えられます。

一方,この新第三紀の始め(2000万年〜2500万年前)の頃,象類の仲間で最も古いとされているステゴロホドン象が大陸からやってきて,いわき地方にも当時すんでいました。
図は平市中山の久世原団地で,昭和46年3月発見きれたステゴロホドン象の大臼歯で,現在いわき市文化センターに展示されています。

7.氷期と間氷期のできごと(200万年〜1万年前)
第四紀の始まりは,人類の出現と,もうひとつ氷河のおとずれです。しかし,氷河時代が長く続いたわけではなく,3回の間氷期といって温暖な時代もありました。
氷河期には結氷するため海水面が下り,間氷期には氷がとけるため海水面が上昇しました。そのため浜通りの平野は海面から顔を出したり,海面下に入ったりしました。この海の進退は,相対的な土地の隆起や沈降現象となり,河川の浸食営力の激しい期時や弱い時期という形で現われ,浜通りには5段の段丘が形成されました。
洪積世中期のミンデル・リス間氷期(38万年〜24万年前)に海抜180m〜100m

ステゴロホドン象の大臼歯
ステゴロホドン象の大臼歯

 

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