-野外観察の手びき-浜通りの地層と川原-012/170page

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3.流水のはたらき

1.川原の教材化にあたり

小学校4学年の「流水のはたらき」のねらいは,川上や川下の川原のようすを,比較観察させることです。そのようすの違いから原因を追求させ,流水は土地をけずって形を変えさせながら,石や砂を運んだり,積らせたりすることを,流水の速さや水量に関係づけてとらえさせることにあり,この学習を通して,自然の変化は,長い年月をかけておこなわれていることに気付かせ,児童に時間的,空間的なものの見方,考え方を育てる教材でもあります。
また,この教材は,野外学習が不可決な要素であるだけに,学習のめあてをはっきり定めて,児童一人一人が多くの問題を見つけ,自分から解決しようとする意欲のもてるような指導が大切になります。

2.雨つぶ君の川の旅

夏の午後,入道雲の上で昼寝していた雨つぶ君,寝ぼけて地上に落ちて来ました。幸い,木の葉の上だったので,けがもせず着地成功。次の瞬間,滑るようにして,葉からポツンと水たまりに落ち,細い溝を通って,だんだん太い流れへと押し流され,ついに谷に流れ出ました。突然大きな岩にぶつかり,目がぱっちりと開きました。
流れの左右から崖がせまり,谷底には1mを越える角ばった岩が,ゴロゴロしており・流れは速く,勢よく岩にぶつかっています。雨つぶ君は何回も頭を岩にぶつけながら下流へと流されています。
この様に山地に降った雨は,地表に小さな溝を作りながら地面のひくい所に集まってきて,それが川となって流れます。
山地を流れる川は流れも急で,特に,大雨の後は水量も増しゴウゴウと勢よく流
(新甲子)阿武隅川上流
(新甲子)阿武隅川上流

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