-野外観察の手びき-浜通りの地層と川原-013/170page

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れ下ります。日頃川底にでんとかまえていた大きな岩でも,このような流れには勝てません。下流へ押し流されます。この際,山やがけをけずり,こわし,ぶっつけ,とにかく荒ぽい浸食で,がけは勿論,川底がどんどんこわされ,けずられます。一方,流された大きな岩も,ぶつかり合ったりして,角がとれ,ちいさくなり,下流の方に運ばれます。翌朝,目をさました雨つぶ君はビックリしました周囲は広々として明るく,川輻も広く,平担な平野の上を大きく,くねりながら,ゆっくり流れており,様子は一変していました。
流れに身をまかせた気楽な旅ときめこみ,周囲を眺めながら川下りです。川が大きくカーブする所にやってくると,きまって外側の岸の方が流れ速く,内側の方が流れがおそく,深さも浅くなり,内側の岸には,まるく小さくなったレキが,ゴロゴロと日なたぼっこをしている川原が見られました。また大きくカーブする外側の岸が,前の洪水でやられたのか数10mにわたりくづれており,おじさん達がいっしょうけんめい,流れに負けない岸をつくる工事をしていました。
川原のレキにぶつかりそうになったり,岸にぶつかりそうになったりの旅を続けているうちに,潮の香がしてきました。雨つぶ君は,河口の近くまで運ばれていたのです。川の流れはほとんどなく,今まで川底に沿ってころがるようにして流れていた砂の流れも見られなくなり,川のあちこちに水面から少し顔をのぞかせている中州ができていました。そして河口では,河の出口をふさぐように細長く,鳥のくちばしの様に砂の州ができていました。雨つぶ君は,河口の州をうまくぬけ海に出ました。
雨つぶ君は,上流から下流までの川のはたらきや様子を,次のようにまとめました。

(山上小学校付近)宇田川中流
(山上小学校付近)宇田川中流

木戸川川口近く
木戸川川口近く


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