-野外観察の手びき-浜通りの地層と川原-015/170page

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外側の岸がけずられ,がけとなり,さらにどんどんえぐり取られていくのです。曲がりかどの内側は川の流れもおそいので,レキを運ぶ力も弱く,流れがおそくなると,砂やレキが運べなくなり,砂やレキがつもって川原ができるのです。だから,川底のレキを調べると,川原から対岸に向ってレキの大ききがだんだん大きくなっています。

4.レキの形と大きさ

川原に立って,先づ目にとまるのは,レキの色と形と大ききです。
一つの川の上流から下流までの川原のようすを調べてみると,レキの大きさと形が変化していくことに気づきます。上流の崖に露出している地層や岩石が,流水のはたらきで砕かれてできたレキの形は,角ばっています。それが川の流れで下流に運ばれるうちに,レキとレキとがぶつかり合ったり,川底をころげたりして,しだいに丸みを帯び,だんだん小さくなっていきます。だから,供給源に近いほど角ばっており,まるい形のものほど遠距離を運ばれてきたと考えるのが普通です。
町外の作業で,レキを手早く分ける方法として,レキの外形を観察して,円レキ,亜円レキ,角レキの3つに分ける方法がよく行われています。
円レキ:角や稜が全部すり減って表面がすべて曲面になっている。
亜門レキ:円レキと角レキの中間で,まだ表面に部分的に平面がのこっている。
角レキ:角や稜のはっきりした,角ばったレキ。

上流のれきの様子(福島市須川上流)
上流のれきの様子(福島市須川上流)

中流のれきの様子(福島市須川中流)
中流のれきの様子(福島市須川中流)

下流のれきの様子(福島市須川下流)
下流のれきの様子(福島市須川下流)


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