-野外観察の手びき-浜通りの地層と川原-055/170page

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 1) 地層の重なりが多く観察される場所で,崖や地層をスケッチする。
 2) 地層の重なり方や,模様などの目立った特徴をスケッチする。
 3) 崖に見られる地層から,地層の広がりを調べる。
 4) この山は,これらの地層が重なってできていることを理解する。
(3) 地層に近づいて地層の厚さ,粒の大きさなどを観察する
 (A)の層は7m程の厚さがあります。ザラサラした感じだが川原の砂とは,ちがった感触です。これは砂に火山灰が混じっているためで,詳しくは凝灰岩質砂岩といいます。色は淡黄色で砂に含まれていた鉄分が,地下水の酸素で酸化して色づいたものです。
 (B)の層は0.3〜0.7cm大の渚近くに見られる円レキからできていて,白っぽい,やわらかい軽石(火山性)を含んでおり,厚さ50cm程のレキ層です。
 (C)の層は厚さ80cm程で砂層ですが,地層の表面に波のような模様が見られるのがこの地層の特徴です。この模様は,斜交葉理又は偽層と呼ばれるもので,流れによって運ばれてきた砂粒が,安定した角度で次々と斜面をつくることによってできるもので,川口や沿岸流の激しい海岸などにつもった砂層などによくみられます。
 (E)の層は50cm程の厚さで1cm〜0.3cm大の円レキを含んだ砂層です。
 (F)の層は砂層で,色は黄褐色になっています。(A)の砂層より一段と酸化が進んだことが色からわかります。この層はおもに砂層や砂レキ層からできており,斜交葉理の地層もみられることから,たい積した当時は海岸に近い浅い海で
浄水場わきの工場向いの崖_地層図
浄水場わきの工場向いの崖_地層断面図

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