-野外観察の手びき-浜通りの地層と川原-085/170page
別の地層のように観察されますが,これは,(H)のレキ層に含まれる地下水のために,泥層に含まれていた鉄分が酸化して淡黄色となったもので,もとは,右端と同じように青灰色をしていたものなのです。
6) (H)のレキ層のレキの大きさ,形を調べてみよう。
(4) 地層の広がりの観察
1) ここから道路をはさんで西に100m程の所に材木置場があり.図は材木置場の南崖に見られる地層(B)です。
(A)層の場合と同じ方法で地層を観察して,地層の特徴を調べてみよう。
2) (A)層の中で,(B)層の下の粗い砂岩(赤褐色)と似ている地層はないか調べてみよう。
(A)層では,一番下に見られる赤褐色の粗い砂岩は,(B)層の粗い砂岩と同じ地層と考えられます。
しかし,(A)層では粗い砂岩の上に泥層が重なっているのに,(B)層でレキ層が重なり,(A)層と(B)層の関係は理解しにくくなります。だが良く調べてみると(B)層の粗い砂層に重なるレキ層は,不整合関係(粗い砂層が,たい覆したあとで一度陸化し,その後再び海底となり,その上にレキ層がたい積)なので,粗い砂層の上,泥層がつもっていたのが,一度陸化したときに削られたと考えることができます。
したがって,(A)層と(B)層は連続するものだと解釈できます。
もし時間があれは右写真に見られるように,材木置場南側崖から西側崖に地層が続いて見られるので,同じ地層を追い,地層の広がりを理解させることができます。