教師のための統計入門-027/233page
以上,電卓を用いて,平均値や標準偏差を求める方法について説明しましたが,電卓のケースに入っている電卓使用説明書などをよく読んで頂ければ,どなたでもすぐに計算できると思います。
電卓で,平均値や標準偏差を計算する場合は,すでに見てきたように,数値の変換はしないで,そのままの数値で直接計算ができますから,平均値や標準偏差の公式をそのまま使うことができました。しかし,筆算でこれらの値を求める場合は,数値はできるだけ簡単な方が計算が楽ですから,数学を使って数値を変換し,できるだけ簡単な数値にして計算する方法が考えだされていたのです。この場合,平均値や標準偏差を求める公式も,当然変形されますので,この点が少しわかりにくいかも知れません。以下に,この方法で,平均値や標準偏差を計算してみましょう。
(例3) 次の(表5)は,ある学年の数学のテストの結果を度数分布表に表したものから,平均値と標準偏差とを求めるために,新たに作ったものである。この表から,平均値と標準偏差とを求めよ。
(表5)
階級 階級値X 1)
度数f2)
u=X-64.5/101)×2)=3)
fu2)×3)
fu20〜9 4.5 1 -6 -6 36 10〜19 14.5 1 -5 -5 25 20〜29 24.5 6 -4 -24 96 30〜39 34.5 14 -3 -42 126 40〜49 44.5 28 -2 -56 112 50〜59 54.5 36 -1 -36 36 60〜69 a=64.5 53 0 0 0 70〜79 74.5 33 1 33 33 80〜89 84.5 18 2 36 72 90〜99 94.5 11 3 33 99 100 100 4 3.55 14.2 50.41 計 205 -52.8 685.41 記号 仮り平均
a=64.5n=Σf Σfu Σfu2 一定の値 c=10