教師のための統計入門-176/233page

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問26 授業でできる乱数を用いた実験には,どんなものがありますか。

(答え) 乱数を用いて問題解決をはかる技法を総称してモンテカルロ法といいます。モンテカルロ法は,コンピュータの開発とともに活用され,今日にいたっていますが,これは,コンピュータによって,高速度で乱数を発生させながら,これを用いて行う数値実験の技法の総称ということもできます。

モンテカルロ法の対象となる問題は,当然確率的事象に多いのですが,確率的な要素を含まない決定論的な問題の中にも,これを巧妙に確率の問題に変えて,この方法で解決できるものもあります。この典型的な例としては多重積分などがあります。

ここでは,モンテカルロ法の一技法を説明する,という立場から,簡単な積分に対するこの技法の適用例を3つほど取り上げることにします。

モンテカルロ法の一技法

乱数列というのは,出現する数字が,等確率で,しかも無規則である,という二つの性質をもつ数列をいいます。

それで,例えば,乱数列 3180768896672849……に対して,点(0.31,0.80),(0.76,0.88)……を考えますと,これらの点は,一様に同じ割合で,正方形□上にばらまかされることになります。

範囲

それで,この乱数列から,上のようにして,n個の点をとったとき,そのうちのr個が範囲の範囲にあったとしますと,

問26の答え

が成り立ちます。このことを用いて,定積分Sの近似値を求めようというので


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