教師のための統計入門-177/233page

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す。

いま,乱数列から2桁ずつとって,これを小数点以ド2桁の小数 x,y として読むことにしますと,範囲の範囲にある点は,不等式

y≦x2

を満たします。n 個の点のうち,この不等式を満たす点の数 r が求まれば, 1)より S の近似値が求まります。

x y x2 y≦x2
0.31 0.80 0.0961 ×
0.76 0.88 0.5776 ×
0.96 0.67 0.9216

これを授業で生徒に実験させる場合は,上のような表をつくっておき,まず,乱数列から20個ほどの x,y の値の組を求めて記入させます。次に,小型電卓で x2 の値を計算させて記入させます。

最後に不等式 y≦x2 を満たすものに○,そうでないものに×を記入させます。

○の数の合計が,この不等式を満たす点の数 r です。このようにして, r/n を求めさせます。

なお,生徒の机の列で,第1列目の生徒は,乱数列の a から始めて b までの20個の x,y の値の組,第2列目の生徒は, b の次から始めて c までの20個の x,y の値の組,……というようにして,各列ごとに○の数を求めさせることもできます。そして,まず,各列ごとに S の近似値を計算させ,最後に,全体を合計して S の近似値を計算させることもできます。

例2 πの近似値

この場合は, n 個の点のうち,不等式

x2+y2≦1

を満たす点の数 r を求めて,2)より,πの近似値を求めます。


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