教師のための統計入門-215/233page

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4) 二群法での仮説の効果は,平均値の比較によって判定します。しかし,平均値というのは,全体の傾向を示す一つの数値にすぎませんから,平均値から個々の児童・生徒についてのくわしい情報を得ることはできません。したがって,このほかに、実験前,実験期間中,実験後のそれぞれの群の児童・生徒の観察記録なども判定の参考資料とするようにします。

研究報告書には,これらの記録のうち,代表的なものをのせるようにします。

5) 仮説の効果を,無理して作って認めるようなことはないようにします。効果が認められなかった,というのもひとつの立派な研究です。この場合には,原因となる問題点のおさえ方が甘かったのか,アイディア(解決策)の質が良くなかったのか,など十分検討して,後の研究に生かすようにしています。

6) 一群法,二群法ともに,仮説の効果を測るものとして,テストの占める役割は極めて大きいものです。したがって,テストの問題は,真に仮説の効果を測るものとしてふさわしい(妥当性のある)ものでなければなりませんから,事前に十分吟味して,ねらいに即した質の良い問題を作るようにします。

5. 研究報告書の形式

研究報告書には,一定の形式はありませんが,まとめるにあたって,つねに留意しなければならないことは,読む人に,正しく理解してもらえるように,わかりやすく書く,ということです。自分が何をいいたいのか,何を書きたいのか、自問自答しながら,そして自分が用いることばの意味を確かめながら,できるだけやさしく書くようにします。

次に,よく見られる報告書の形式を、参考までにのせておきます。

研究主題

1) 研究主題設定の理由

○ 児童・生徒の実態から掘り起こした問題点の発見とその原因を追求


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