小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1980-097/187page
るとともに、文字の構成・字義をあわせて指導するなど、指導をさらに深めていきたい。 また、送り仮名や仮名遣いについては、とりあげて指導したり、個別指導をしたりして完全 に理解させるようにしたい。 観点・小問ごとの分析 対策の視点 3]語句を読む 一、対語・類語がわかる 対語の問題が二つとりあげられているが、 正答率はどちらも同じくらいであった。(1 が62%、2が64%である。) 「結果」に対して「難解」「分散」といっ た、言葉の意味を考えないで、同じ漢字が入っ ている熟語を記入した誤答がみられる。 ・類語・反対語・対立語などの意味とその違 いを明確にわからせる必要があろう。原因⇔ 結果、集合⇔解散などは、6年生としては基 本的な事例なので、徹底させたい。また、文 字の構成や語源から発展的に指導したり、辞 典で調べさせたりするような手だても工夫し たい。 二、慣用語句がわかる 下記のように観念的にとらえている誤答も みられる。 1根も葉もない→裸と同じこと。植物が 枯れてしまうこと。 2耳にたこができる→耳にできものがで きてしまうこと。 1は62%、2は80%と、ともに正答率が高く、 児童に日常使われている慣用語句であるとい える。 ・成句・慣用句は、生活風習や日本的なものの 考え方を反映しており、日常生活で使用され ているので、正答率が高かったものと思う。 語句のもつ特殊な語感が、さらに表現面で生 かされるよう指導していきたい。 三、文脈にそって、語句の意味がわかる 1「いそしむ」をおじさんにかけて「いそ がしい」としたものや、底ぬけに明るかった にかけて「ほほえむ」としたものが目立つ。 2「あらわに」は、その言葉の語形にとら われて、「あらあらしく」としたものがあっ た。1(70%)にくらべて、2(61%)の方が正 答率が低いのは、語句の意味だけでなく、文 章がとらえられなかったからと思われる。 ・指導要領の語句に関する指導としては、「語 いの拡充」「語句の知識」「辞書の利用」「語 への感覚」がある。ここでは、指示する語句、 接続する語句、修飾する語句など、語句の 役割や種類について理解させる指導が重要で あろう。