小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1980-100/187page
観点・小問ごとの分析 対策の視点 最後に書いてあるという意識が働くのか、5) につけたものが多い。正答率30%と低い。 2要旨という言葉の意味が完全に理解され ているかが疑問であるアと工につけたもの は、3人に2人ぐらいの割合になっている。 (正答率33%) 指導する必要があろう。どうすれば、どんな 手だてで主題をとらえるのかという「学習の しかた」を理解させたい。また、中心となる 語句をおさえたり、文末の表現から筆者の考 えをとらえていく指導も重視したい。 三、修飾・被修飾の関係がわかる 1ちょうど→さしかかった(正答率60%) 2新しい→学校が(正答率70%) この観点の問題の中では、どちらも比較的 よくできているが、「ぐうぜん」(1の場合) 「新品」(2の場合)など、別の言葉を入れたり、 分かち書きになっているのに、「ぼくたちの 学校がいよいよできあがったOなどと、よけ いな言葉の記入がみられた。 ・文の構造や文中の語句の意味をとらえよう とするとき、修飾の関係を明らかにすること は、指導上の大きな観点となる。 指示語(こ・そ・あ・ど)の指示する事物 をはっきりづかませることを、日常の指導で 心がけたい。 四、文章の要点を読みとる 正答率29%と、段落・主題・要旨と同様に あまりできていない。冒頭に問題文、あるい は中心文、結論をかかげる事例は教科書教材 でも数多くあるが、それに気づかずにほとん ど2)として誤答となっている。 ・文章や話の要点を理解し、自分の立場から まとめることは、3年の「理解」の重点事項 である。4年の段落、5年の主題や要旨の学 習をへて6年では総合的なまとめの段階に応 じた指導を徹底する必要があろう。 五、場面の情景や人物の気持ちを読みとる 1「おくろうとすると何もない」という表 現で、なぜ送るものがないのか、作者の気持ち を深く読みとっていないために、誤答は、ア ・ウとばらつきがみられた。一正答率は70%と 高い。 2「あの美しい銀の波」を「初秋の山の風」 と大ざっぱにとらえたもの、「穂立て」の意 味がよくわからなくて、ばくぜんと穂立てに とらわれたもの、文章に表現されていない「風 ・作者が住む田舎の質素な生活のようすを想 像したり、都会の人々に対する作者の思いや りの気持ちになってみたりして、文章を味わ わせる指導が望まれる。 ・これは、当然「茅の穂の」の「の」を受け ていることをみすごした結果であるといえる。 また「あの美しい銀の波」の「あの」という 代名詞の指すものは何かを考えさせる指導を