高等学校「理科1」のてびき-028/133page
(指導資料) 5 力学的エネルギー保存則
1 ねらい
一物体の所有する力学的エネルギーは保存されることを検証することであるが、下記の原理に示した力学的エネルギー保存則、放物運動との関連からの式の変形についても、充分な理解を深める。
2 準備
糸、鉄球、スタンド、電磁石、電源装置、かみそりの刃、カーボン紙、物指
3 原理と方法
下記に示した(方法1)、(方法2)の二つの方法がよく用いられる。
(方法1)
いま図1に示すように、質量m、長さlの振子をAから自然に振らせ、振子のおもりが最下点Bに来たとき糸を切ってやると、おもりは放物運動をして地面に落下する。
このときの
水平到達距離をx
おもりの最下点での高さをy
おもりのA、Bでの高低差をh
とすれば
力学的エネルギー保存則から
mgh=1/2mV2 ― 1)
(ただしVはBでの速さ)
また、放物運動では
y=g/2V2 x2 ― 2)
1)、2)からVを消去してx=2√h・y ― 3)
これは、おもりの水平到達距離を求める式である。これは力学的エネルギー保存則をもとにしてつくった式であるから、これを用いて求めたxの理論値を、実測値と比較すれば、力学的エネルギー保存則を間接的に実証する手筈となる。