高等学校「理科1」のてびき-036/133page

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(指導資料) 7 物質を構成している元素を調べる

1 ねらい

身近にある物質で、中学校でも扱われている食塩、砂糖、石灰石などを既知物質とし、それらを構成している元素を確認するため、炎色反応、沈でん反応、加熱分解等の実験を行わせ、それぞれの元素に特有の反応を利用して、物質の構成元素を調べることができることを理解させる。また、このことをもとにしてある未知物質(ここではふくらし粉)の成分を推定させ、物質の構成元素に対する関心を高める。

2 準備

食塩、砂糖、石灰石(径2〜3mm程度に砕いたもの)、未知物質(ふくらし粉、NaHCO3)、石灰水、ニクロム線(炎色反応用、800W程度)、3M-塩酸、0.1M-硝酸銀、薬包紙、薬さじ、試験管誘導管(2種類)、コマゴメピペット(5ml)、酸化銅(2)

3 方法

実験1―既知物質の成分元素を調べ、確認する。

(1) 食塩について試験管に、薬さじ(小)1〜2杯の食塩をとり、約3mlの蒸留水を加えて溶かし、この水溶液について炎色反応を行った後0.1M-硝酸銀溶液を2〜3滴加える。

(2) 砂糖について

1) 試験管に薬さじ(小)1〜2杯の砂糖をとり、約3mlの蒸留水を加えて溶かした後、0.1M硝酸銀溶液を加える。この場合変化が起こらないことを確認させ、Cl-が硝酸銀溶液で沈でんする反応はAg+とC1-の特有の反応であることを理解きせる。

物質の構成元素の測定方法

2) 薬さじ(小)2〜3杯の砂糖にほぼ同量の酸化銅を加え、よく混合した後に、試験管に入れ、図1のように装置を組み立て、試験管を加熱しながら水滴の生成や、石灰水の変化のようすを観察させる。ここの実験を行うとき、次のことに注意する。

※ 加熱によって生成する水で試験管が割れるのを防ぐために、管口を水平よりやや下げる。

※ 加熱を中止するときは、石灰水を入れたガラス管を石灰水からはずしてから行う。

(3) 石灰石について

細かく砕いた石灰石を、小さじ2〜3杯ほど試験管に移しとり、1)2)の実験をさせる。

1) 3M塩酸5mlを加え、発生する気体を石灰水に通すことにより二酸化炭素の発生を確認させる。このとき、二酸化炭素を長く通じると、Ca(HCO3)2が生成して白色沈でんが消失するので留意する。反応式は次の通りである。

Ca(OH)2+CO2→CaCO3↓+H2O


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