高等学校「理科1」のてびき-040/133page

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(指導資料) 8 純物質と混合物

1 ねらい

身近かな物質であるしょう油を使い、その成分を調べながら、化学実験の基本操作を習得させ、化学への興味と関心を高める。

2 準備

三角フラスコ(100ml)、誘導管2本、温度計(105℃)、三脚、アスベスト金網、ガラス棒、鉄製スタンド、るつぼばきみ、蒸発ざら(径8〜9cm)2個、ビーカー(300ml)、ニクロム線、ろうと・ろうと台、プレパラート、顕微鏡、しょう油、0.1M―硝酸銀、石灰水、沸騰石

3 実験方法

(1) 三角フラスコに、しょう油20mlと沸騰石数個を入れ、図1のような装置を組み立て、加熱蒸留する。このとき、しょう油が留出液と共に出ないように注意し、加熱の強さを加減する。

加熱を続けながら、温度の変化および留出液の色を観察する。加熱を続けると、しょう油は混合物のため、沸点は次第に上昇する。また、留出液は無色透明になる。

図1 しょう油の蒸留

しょう油の蒸留

(2) 試験管に留出液が4分の1ぐらいたまったら加熱を止め、三角フラスコ中のしょう油を蒸発ざらに移し、図2のようにこれをアスベスト金網上で強熱し、蒸発乾固きせる。加熱を続けると粘性ある液体を経て、煙が出、しだいに炭化する。

図2 蒸発乾固

蒸発乾固

(3) 炭化した粉末の半分を薬包紙に取り、残りに水20mlを加えてよく溶かす。これを図3のようにしてろ過し、ろ液を2分して1)、2)の実験をする。

図3 ろ過

ろ過

1) ろ液の半分を試験管にとり、この溶液をニクロム線につけ、酸化炎の中で加熱し、炎色反応を見る。次に、このろ液に硝酸銀溶液を加え沈殿の有無を見る。このとき、黄色の炎色反応とAgCl の白沈が見られ、Na+とCl-が含まれていることがわかる。

2) ろ液の半分を蒸発ざらに入れ、アスベスト金網上にのせて加熱濃縮する。まわりに白い粉が出てきたら温めておいたプレパラートに、この溶液を1滴とり顕微鏡で観察する。溶液が蒸発するにつれて塩化ナトリウムの立方体の結晶がみられる。

(4) (3)で取っておいた炭化した粉末に、同量の酸化銅粉を混ぜ、これを試験管に入れ、図4のようにして加熱し、発生する気体を石灰水中に通


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