高等学校「理科1」のてびき-048/133page

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(指導資料) 10 化学反応における量的関係―金属の質量とそれによって発生する気体の体積について

1 ねらい

反応物質と生成物質の間には一定の量的関係があることを、次の(1)〜(6)の内容を通して理解させる。

(1) 金属には酸と反応して水素を発生するものがある。

(2) 酸の量が十分あるとき、発生する水素の体積は反応した金属の質量に比例する。

(3) 気体は温度や圧力によって、その体積が変化するが、1モルの気体は0℃、1気圧で22.4lである。

(4) 反応した金属のモル数と、それより発生した水素のモル数の間には簡単な整数比が成り立つ。

(5) 次の反応式の係数は反応物質または生成物質のモル数を表す。

Mg+2HCl → MgCl2+H2

(6) 気体の捕集方法など実験操作の技術を習得させる。

2 準備

気体定量用ガラス管(内径 : 1.5〜2.0cmのもの)1本、二又試験管、気体誘導管、水そう、台紙、セロテープ、.気圧計、温度計、マグネシウムリボン、2M―塩酸、洗剤液、室温の水

注:定量用ガラス管は市販のものを切断して使用する。

・ 定量管の内容積の求め方:定量管の内容積を求めるには、一端にゴムせんをして、これを立てて、この中に正確に測った水100mlを入れ、ゴムせんより水面までの水柱の長さを測り、これよりガラス管、1cm当りの体積を求め生徒に知らせる。

3 実験方法

実験方法

(1) 実験台上に細長い台紙をはり、この中央に横線を一本入れる。

(2) 二又試験管の一方には、長さのわかったマグネシウムリボンを入れ、他方には2M―塩酸5mlを入れる。

(3) 定量管の一端に洗剤膜を2、3枚つけ、これに誘導管と二又試験管を図のように取りつけ、洗剤膜の最初の位置を台紙にSと記入する。洗剤膜をつけるには、定量管の一端を洗剤液につけ、急に引きあげると、ついた膜も同時にあがる。続いて管口を液面にふれると二枚目がつく。

(4) 二又試験管の塩酸を金属マグネシウムの入った方に流して反応させて水素を発生させる。

(5) 反応終了後、試験管を室温の水の入った水そうに浸し、洗剤膜の移動が静止するまで冷却し、洗剤膜の位置を台紙にEと記入する。

(6) 台紙上の反応前後の洗剤膜の移動距離を測定して、これを気体気柱の長さとする。


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