高等学校「理科1」のてびき-049/133page

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4 実験例と考察

(1) 実験例

測定条件 19℃、736mmHg、PH2O 16.5mmHg、Mgの質量:1cm=0.0093g

定量管内容積:1cm=2.4ml

表1

Mgの長さcm 質量×10-2g 発生気体気柱cm 発生気体の体積ml 標準状態の体積ml Mgのモル数×10-3 H2のモル数×10-3 モル比数H2/Mg
2.0 1.86 7.6 18.5 16.4 0.77 0.73 0.96
4.0 3.72 16.0 39.0 34.5 1.5 1.5 1.0
6.0 5.58 24.1 58.8 52.0 2.3 2.3 1.0
8.0 7.44 32.8 78.0 69.0 3.1 3.1 1.0
10.0 9.30 40.7 99.3 87.8 3.8 3.9 1.0

・ データーの処理

1) Mgの質量は1cm当りの質量から計算させる。

2) 捕集気体の体積は気柱1cm当りの体積から計算させる。

3) Mgのモル数は使用したMgの質量を原子量24.3で割って求めさせる。

4) 捕集した気体の体積を標準状態に換算するには次のように補正定数を求めて、生徒に知らせる。

捕集気体をAmlとすると A×273/273+19×736-16.5/760=0.885Aml となる。

補正定数 0.885 また、標準状態に換算できない場合は、発生気体の体積を常温での1モルの気体の体積24000mlで割ってモル数を求めても、ほぼ同じ値が得られる。

(2) 考察

1) マグネシウムリボンの長さと発生気体の気柱の長さのグラフが直線になることより、発生気体の体積はMgの質量に比例することを考えさせる。

2) マグネシウムと発生した水素のモル比H2/Mgが1.0になることから、反応物質と生成物質の間には一定の量的関係があることと、反応式の係数は物質間のモル比を表していることを理解させる。

実験結果

5 考察

(1) 測定中は気体定量管を台紙上に固定し、動かさないよう注意する。

(2) 洗剤液は市販の中性洗剤で粘性のあるものがよく、これを10〜20倍程度うすめて使用する。

(3) 洗剤膜は5mm程度の間隔で接近したものを2〜3枚つける。

(4) 定量管の内部は洗剤液でぬらしておく。乾いたまま使用すると洗剤膜が消えてしまう。しかし、洗剤液が余分に入っていると内容積が変わるので、管内をぬらした後、管を斜めにして洗剤液を流し出す。

(5) 誘導管は気体がもれないように、しっかり取りつける。

(6) 実験操作については一度演示して見せた方が能率的である。

(7) データーの処理には電算機を使用させた方が能率的である。


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