高等学校「理科1」のてびき-056/133page

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(指導資料) 12 モル濃度の調製と中和反応

1 ねらい

(1) 反応物質間の量的関係を扱うときには、中学校で履習させたパーセント濃度よりも、モル濃度の方が有用であることを理解させる。

(2) 実際に0.5M水酸化ナトリウム溶液を調製させることによって、モル濃度に対する理解を深めさせる。

(3) 中和反応を理解させる。

2 準備

上皿天秤、薬包紙、薬さじ、ビーカー(5ml)、メスフラスコ(100ml)、ろうと、メスピペット(10ml)、洗浄びん、温度計、水酸化ナトリウム、5%水酸化ナトリウム溶液、5%塩酸、5%硝酸、0.5M塩酸、0.5M硝酸、フェノールフタレン指示薬

3 実験方法

(1) 6.5M水酸化ナトリウム溶液の調製

1) 0.5M水酸化ナトリウム溶液100mlをつくるのに要する水酸化ナトリウムの量を算出させる。

0.5M溶液は1,000ml中に含まれる溶質の量が0.5モルであるから、100mlでは次のようになる。

ただし水酸化ナトリウムの式量を40とする。

0.5×40×100/1000=2〔g〕

2) 計算量の水酸化ナトリウムを、上皿天秤ではかりとり、100mlのビーカーに入れ、50ml程度の水を加えて溶かす。このとき、溶解前後の温度を測定させ、溶解熱が発生していることに気付かせる。水酸化ナトリウムの溶解熱は10.1kcalである。

注:水酸化ナトリウムは潮解性があるので、すばやくはかりとるように注意する。

3) 溶かした溶液を、ろうとを用いてメスフラスコに移し、標線まで水を入れ、メスフラスコを2〜3回倒立させて混合する。

(2) パーセント濃度の溶液間の反応量の関係を調べる。

1) 中学校ではフェノールフタレンをあまり使用していないので、5%塩酸、5%水酸化ナトリウム溶液をそれぞれ別々の試験管に2mlずつとらせ、フェノールフタレンを1〜2滴加えて、酸性で無色、アルカリ性で赤色(変色域pH8.2〜10)であることを確認させる。

2) 次に、メスピペットで5%塩酸5mlを100mlのビーカーにとりフェノールフタレンを数滴加える。この塩酸をかくはんしながら、メスピペットで5%水酸化ナトリウム溶液を少しずつ滴下し、色がついたときの水酸化ナトリウム溶液の体積を記録させる。5%硝酸と5%水酸化ナトリウム溶液についても同様の実験を行なう。

注:溶液のかくはんにはスターラーを使用させると、操作が単純になりよい結果が期待できる。

3) モル濃度の溶液間の反応量を調べる。


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