高等学校「理科1」のてびき-061/133page
3) 対物ミクロメーターの目盛にピントを合わせ、接眼レンズを回して、両方のミクロメーターの目盛りが平行になるようにする。
4) 両方のミクロメーターの目盛りが一致するところを2ケ所さがし(図3)、おのおのの目盛りを読み取る。対物ミクロメーターの1目盛りが10μであるので、これをもとに接眼ミクロメーターの1目盛りの長さを計算する。
5) 顕微鏡の接眼レンズ、対物レンズの組合せごとに、接眼ミクロメーター1目盛りの長さが異るので、それぞれの組合せについて計算し表にしておくと便利である(表)。表皮細胞の大きさの測定では、100〜400倍ぐらいの倍率をよく用いる。
6) 対物ミクロメーターを取り去り、測定しようとする細胞の入っているプレパラートをステージの上におく。
7) 細胞にピントを合わせ、同時に見えている接眼ミクロメーターの目盛で、細胞の長径、短径を読み取る。そのときの倍率での接眼ミクロメーター1目盛の長さをかけると、細胞の実際の長径・短径が求められる(図4)。
顕微鏡の倍率と接眼
ミクロメーター1目盛の長さ対物レンズ 倍 倍 倍 倍 接眼レンズ 倍 倍 倍 倍 倍 μ μ μ μ 倍 倍 倍 倍 倍 μ μ μ μ 倍 倍 倍 倍 倍 μ μ μ μ
4 留意点
(1) 顕微鏡の使いかたについては、事前に充分指導しておきたい。
(2) プレパラートをステージにのせるとき、プレパラートの下面、カバーガラスの上面がぬれていると、顕微鏡を汚し、腐蝕の原因になるので、十分ぬぐわせるようにする。
(3) 接眼レンズの中に接眼ミクロメーターを入れるとき、顕微鏡の鏡筒の中にゴミなどが入らないように充分注意する。
(4) 接眼レンズの上端のレンズをはずし、もとにはめるとき、倍率の異なる他のレンズを誤ってはめやすいので注意を要する。
(5) 対物ミクロメーターの目盛は絶対長であるが、接眼ミクロメーターの目盛は、倍率により異なる相対長で刻まれていることを理解したい。