高等学校「理科1」のてびき-064/133page

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(指導資料) 14 体細胞分裂の観察

1 ねらい

生物のからだは、ただ1個の受精卵(細胞)が体細胞分裂をくり返してできたものである。細胞が分裂して数をふやしてゆくしくみを、核・染色体の変化を主として観察する。

2 準備

タマネギ、顕微鏡、スライドガラス、カバーガラス、試験管、ビーカー、加熱器具、カミソリ、柄つき針、ピンセット、ろ紙、酢酸カーミン液、5〜10%希塩酸、45%酢酸

※ タマネギの発根  タマネギの直径よりやや小さいビーカーに水を入れ、タマネギの根部が水に浸るようにする(図1)。毎日、水を取り替えると、暖期で3〜5日、寒期で5〜10日で発根し、観察に使えるようになる。

タマネギの発根

※ 酢酸カーミン液の作り方

45%酢酸100mlにカーミン0.5グラムを入れ、30分くらい弱く熱して冷却後ろ過する。加熱の際に、さびた鉄くぎを1本入れておくとなおよい。

3 方法

(1) タマネギのよくのびた根の先端を、5mmほどの長さに切りとり、希塩酸10mlを入れた試験管に入れ、約60℃の温水中で5分間ほどあたためる。細胞壁が加水分解され、細胞がはなれやすくなり観察がしやすくなる。

(2) やわらかくなった根をスライドガラス上に取り出し、柄つき針で2〜3本にさく。

(3) 細くさいた根に、酢酸カーミン液を1〜2滴落し、手のひらの上などでゆるやかにあたため、根が黒く見えるようになるまで、充分に染める。

(4) 充分染まった根に45%酢酸を数滴かけ、1分ほど後に水を充分かけて酢酸を洗う。

(5) 根にカバーガラスをかけ、二つ折りにした円形ろ紙の間にはさみ、ろ紙の上からカバーガラスを、親指の腹で押しつけ根の細胞を押し拡げる(図2)。このとき、力の入れ方を工夫するとともに、カバーガラスが横にずれないように注意する。

根の細胞を広げる方法

(6) ろ紙の間からスライドガラスを取り出す。カバーガラスの下に気泡が入ったり、すき間ができたら、カバーガラスの一端に水を1滴落とし、スライドガラスとの間に水を補う。スライドガラス下面やカバーガラス上面がぬれていたら、ろ紙片で拭きとる。このとき、カバーガラスを動かさないように注意する。

(7) できたプレパラートを顕微鏡で観察する。まず、低倍率(100、150倍)で観察し、細胞が小形で正方形に近いものを注意して探す。細胞内に染色体がひも状になったり、キクの花状になったりしているものがみつかる(図3)。これが分裂中の細胞であるので、これを高倍率(400〜600倍)でさ


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