高等学校「理科1」のてびき-065/133page
らによく観察する。
(8) 同じプレパラートを用いて、(7)の操作をくり返し、細胞分裂の種々の段階のものを観察して、スケッチをする。スケッチをするときは、視野にとらわれずに、細胞をできるだけ大きく書き、特に染色体の数や配列に注意する。
4 考察
(1) 手許に細胞分裂の模式図などを置き観察している細胞が、分裂のどの時期のものであるかを確認する。特に染色体の太さ、形、配列の変化に注意する。
(2) 白紙にスケッチした分裂細胞の図を切り取り、模式図の分裂段階にあわせて配列し、分裂の経過を認識させる。
5 留意点
(1) タマネギの根端で、最も活発に細胞分裂をしていろ部分は、根の先端より2〜4mmのところで、色が少し黄色味がかっている部分である。プレパラート作製に際して、余分の部分をできるだけ取り除くと、分裂している細胞を探すのに能率的である。
(2) プレパラートは、一枚だけで良いものができるとは限らないので、何枚かを作り、その中で細胞がよく観察できるものを使用して、観察やスケッチに用いるようにする。特に、カバーガラスをかけて細胞を押しひろげる時の力の入れ方を変えたプレパラートを作ってみると、力の入れかたのコツがわかる。
(3) 細胞分裂の観察には、材料・方法・染色液など種々のものがある。原理的には、どれも同じであるので、いくつか試みてみて、確実に結果が得られるものを修得しておくとよい。
(4) 観察によく用いられる材料の主なものは、ニンニク・ヒヤシンスの根や、ソラマメ・ネギの種子をまいて発根したものがある。いずれも、細胞が大きく、染色体数の少いもので、細胞内に観察をさまたげる粒子などの少いものである。
(5) プレパラート作成に酸を用いるので、顕微鏡のステージやレンズを汚さないよう充分な注意が必要である。