高等学校「理科1」のてびき-071/133page
3) まだ熱いうちに1〜1.5倍量のグリセリンを加えてよくかきまぜる。
4) 2%程度の石炭酸を1〜2滴加えてかきまぜる。
5) 広口ビンや、生徒用には35ミリ写真用フィルムケースなどに入れラベルをはって貯えておく。
6) グリセリンゼリーは、通常は固まっているので、プレパラートに用いる時は、湯せん(30〜40℃)して溶かして用いる。
<染色液>
1) ゲンチァナバイオレット液 ゲンチァナバイオレット0.05gに95%アルコール100mlを加えて溶かす。
2) 酸性フクシン液 酸性フクシン1gに80%アルコール100mlを加えて溶かす。
3) メチルグリーン液 メチルグリーン1gに蒸留水100mlを加えて溶かす。
(2) 花粉の発芽を観察する
1) 培養基を作る
寒天は粉末寒天を用いると便利だが、棒寒天でもよい。糖はショ糖・麦芽糖・ブドウ糖などが用いられるが、一般にはショ糖がよい。
ショ糖5g、寒天0.5g、蒸留水50mlをビーカーで熱して溶かしたものを水平に置いたガラス板上にうすく広げて流し、ひやしてかたまらせる。さめ具合と流し方でいろいろになるが、薬さじの背で寒天液を広げるなどして均一に、厚さ1〜2mm1ぐらいにするとよい。気温が低い時は、ガラス板をあらかじめ暖めておく。かたまった寒天板は、カバーガラスの大きさになるように、スパチュラで四角に切り、1板ずつスパチュラではがしてスライドガラスにのせる。これをいくつも準備しておく。寒天液を直接スライドガラス上に流し、かたまったらカバーガラスぐらいの大きさに寒天板を残し、他は除くようにしてもよい。
2) 花粉をまく
花粉は葯から寒天板上にバラバラにまいてもよいが、花粉管が伸びていく状態を観察するのに便利なように直線上にまくようにする。カバーガラスのへりを葯になすりつけ、花粉がなるべく均一につくようにして、そのへりを寒天板にかるくふれさせる。柄つき針を用いて同様に行ってもよい。
3) シャーレを用いて湿室を用意する
シャーレの底に、十分しめらせたろ紙を敷く。この上に培養基に花粉をまいたスライドガラスを、マッチの軸木(頭をとったもの)を枕にはさむように間において重ねておく。培養中にシャーレに水滴がたまる時は、シャーレのふちを開いて空気を通すとよい。水滴が花粉に落ちると、原形質吐出がおこる。水滴の落下を防ぐのに、シャーレを逆に使ってもよい。
(3) 花粉管の伸長を観察する。