高等学校「理科1」のてびき-073/133page
長し、鉢でも花だんでも次々に開花し、冬期は10℃以上に保てればつぼみをつけ、ほとんど一年中花をみることができる。種子でも、さし芽でも容易にふやすことができる好い材料である。花粉の発芽率もよく、花粉管の伸長が早いので原形質流動がよく観察できる。
4) 花粉の発芽には時間がかかる。材料のえらび方によって、また準備の段階によって所要時間がきまってくる。花粉が発芽し、花粉管が十分に伸びるまでの間などに、いろいろな花粉の形態観察を行ったり、プレパラートを作成させたりして、空白時間のないように工夫しておくことが必要になる。
5) 放課後などのあき時間を利用させて、生徒に継続観察させられる場合は、次のような発展学習も考えられるがこの他にも多方面からのいろいろなアプローチができ、生徒に考察させて欲しい。
・花粉の発芽率=発芽花粉数/花粉総数×100で計算し、5〜10視野の平均値を用いる。
・花粉管の伸長速度を、ミクロメーターで測定し記録する。
・花粉培養基の最適濃度 (例ショ糖%) を調べる。
・花粉管内の原形質流動の速度と花粉管の部分との関係を調べる。
・花粉密度と花粉の発芽、伸び方の関係を調べる。
・花粉管の伸長と屈化性について調べる。