高等学校「理科1」のてびき-075/133page
な役割をもっている。人工的に培養基を作り、花粉の発芽の状態を観察してみよう。
材料 花粉、春(ツバキ、アブラナ、ハコベ、アヤメ)、夏(ホウセンカ、カボチャ、マツヨイグサ、ユリ)、秋(コスモス、ダリヤ、グラジオラス)、冬(サザンカ)
用具 顕微鏡、柄つき針、ピンセット、スライドガラス、ビーカー、シャーレ、マッチの軸木、ろ紙、スパチュラ、寒天、ショ糖、蒸留水
(1) ショ糖5g、寒天0.5g、蒸留水50mlをビーカーで熱して溶かしたものを、水平においたスライドガラスに厚さ1〜21mmぐらいに均一に流し、ひやしてかたまらせる。かたまったら、カバーグラスぐらいの大きさに寒天板をスパチュラなどで残し、他は除いておく。
(2) 花粉を培養基上にまく花粉管の伸長を観察するには、カバーガラスのへりや柄つき針などに花粉をつけて直線的にまく。
(3) シャーレの底に、十分しめらせたろ紙を敷く。この上に花粉をまいたスライドガラスを、マッチの軸木(頭をとったもの)を枕にして重ねておく。培養中にシャーレに水滴がたまる時は、シャーレのふたを開いて空気を通す。
(4) 花粉が発芽してきたら、そのようすを観察し、スケッチしておく。
(5) 花粉管がのびていくようすを一定時間毎に検鏡していく。その際、花粉管の伸びる速さや伸びていく方向などにも注意して観察する。
(6) 花粉が発芽する前の、花粉粒内での粟粒の動き(原形質流動)と、花粉管内での原形質流動の速さや、進行の方向などにも注意して観察する。