高等学校「理科1」のてびき-083/133page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

となる。

(2) 遺伝の法則を確認する実験

系統のわかっている突然変異体を交配してF1、F2を求める。

各種の教科書や実験書はすべてこの方法である。この方法は、時間がかかること、結果が予想でき興味関心が長続きしないことなどの点で(1)より劣る。

4 結果と考察

実験には誤差はっきものである。理論値とのへだたりが生じた場合、その原因として考えられることは、次の通りである。

(1) 産卵数が多すぎると、幼虫期に強い自然選択が働き、弱い個体が多く死ぬ。

(2) 親バエの追い出しを怠ったり、移し替えの時に他のハエが混入したなどの実験上のミス

(3) たくさん羽化したハエが培地に埋まって死んでしまい表現型の識別が困難である。

(4) 観察期間が9日以上になり、羽化したF3を数えた。

(5) 観察ミス(特に眼色の識別でミスが多い)。

5 留意点

(1) エーテルは引火性が強いので火気に気をつける。また栓はゴム栓でしっかりとしておく。

(2) 麻酔をかけ過ぎると、ハエは翅を立てて死んでしまい選別の時、厄介である。

(3) 羽化直後のハエは体色もうすく♀、♂の判別や体色の区別がつけにくい。

(4) 実験時期は夏をさける。9〜10月なら定温器なしでも実験できるが、この場合飼育温度を気にして直射日光の当る所に置くとハエは死ぬ。

6 参考文献

○ ショウジョウバエの遺伝と実習 (培風館、森脇他) 1979

○ 先生と生徒のための新しい生物実験 (共立出版) 1975


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。