高等学校「理科1」のてびき-091/133page
4 結果と考察
(1) 円の中心にOとA、Bとを結び、スリットPとのなす角∠POA、∠POBの大きさをはかる。この実験で、光のあたらない暗部は、スリットPからのなす角で、何度から何度までか。
ペトリ皿を用いたとき
∠POA=120°∠POB=160°
透明アクリル円板を用いたとき
∠POA=115°∠POB=165°
(2) この実験で観察した光の伝わり方と、地震波の伝わり方をくらべ、どこが似ているか、また、どこが異っているか。
(3) この実験をもとにして、シャドーゾーンの範囲が常に一定であることから、地球の内部構造を推定しよう。
5 留意点
(1) 地球の核として、水をみたしたペトリ皿の代りに、透明蛍光アクリル円板を用いると、その屈折率が1.5で、地球内部を伝わる地震波は(マントル下部と核の上部の速度比に近い)に近く、また、蛍光物質が入っているので、光の進む道すじがよく観察される。
(2) ペトリ皿を通った光が、地球の表面のどこに達しているかを観察するとき、蛍光アクリル樹脂板を用いて、半径6.4cm、高さ2cmの円形のベルトを作り、地球表面として用いると到達した光が鮮明に観察される。
(3) 基礎事項の学習光の性質は小学校5年で履習して高校に進学してくるので、光の屈折について授業に先がけてふれる必要があろう。