高等学校「理科1」のてびき-095/133page

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でゆっくり冷えたので、結晶は大きくなり、全面が結晶になってしまった。

・ 図(1)の1) カコウ岩

右下と下側にあるカコウ岩のように、へき開が一つ方向に発達している鉱物は黒雲母である、また中央部の灰色鉱物で、プレパラートを回転すると、黒→灰と波状に変わるのが石英で、上の左右にあるのが正長石である。したがって、この岩石は、クロウンモカコウ岩である。

・ 図(1)の2)センリョク岩

中央部と左下にある柱状で斜チョウ石の鉱物が斜チョウ石である。またカクセン石のように二方向のへき開があり、その交る角度が124°で、菱形の模様をした鉱物が、カクセン石である。この岩石は、カクセン石が多く、完晶質で中性なので、センリョク岩である。

(2) 火山岩の場合

図(2)の場合は、キ石アンザン岩である。斑晶として斜チョウ石と、キ石キ石(へき開の角度が88°である)がある。斑晶というのは大きい結晶で、マグマが地下深い所にある間に結晶し始めたものである。周囲の小さい鉱物は、石基であり、マグマが地表に出てから結晶したので、急に冷却したので、結晶が成長する暇がなく、形は小さくなった。

(3) 堆積岩の場合

図3は砂岩の例である。堆積岩は水により粒度毎に選別されているので、粒の大きさはほぼ同じである。砂場はセキエイの粒が非常に多い、他は長石やその他の鉱物や岩石の少さな破片である。粒の大きさは2mm以下1/16mmまでである。

(4)変成岩の場合

図(4)はヘンマ岩の例である。造岩鉱物はカコウ岩と同じであるが、白い鉱物と黒い鉱物に別れ、ある一つの方向に向かって配列している。

(5) 次にあげる表は、一般的な造岩鉱物の特徴をしめす表である。

偏光顕微鏡によるおもな造岩鉱物の光学的性質
平行ニコル
  多色性 へき開
石英 (水晶) 無色鉱物 なし なし 不規則
正長石 有 1〜2方向 柱状
斜長石 有 1〜2方向 柱状
白雲母 明   1方向
黒雲母 有色鉱物 強暗褐色 〜 黄緑 明   1方向
角せん石 青緑 〜 黄褐 明 1〜2方向
輝石 弱淡黄緑 〜 淡灰褐 明 1〜2方向
かんらん石 なし なし 小さい粒状

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