高等学校「理科1」のてびき-096/133page
直交ニコル 屈折率 千渉色 消光(角) 石英 1.54 灰色 ときに波状消光 正長石 1.52
(バルサムより低い)斜消光・(直消光) 斜長石 1.53〜1.58
(バルサムより高い)斜消光・しま状の消光や
累帯構造を示す白雲母 1.58 黄青赤紫あい色 直消光 黒雲母 1.58〜1.65 直消光 角せん石 1.64〜1.66 斜消光約15° 輝石 1.65〜1.74 直消光・斜消光約45° かんらん石 1.65〜1.68 直消光
4 結果と考察
この実験は岩石の観察であるから、次のように、観察の結果をスケッチさせる。
(1) 考察
1) 火成岩はすべて鉱物からなっているが、鉱物の組合わせや、粒の大小は、その岩石の成因によって、それぞれ異なる。火成岩は冷却の遅速によって粒の大小がある、また原液の組成に応じて鉱物の種類が異なる。つまり、深成岩は地下深所で徐冷したので結晶は成長し大きくなり、完晶質となる。火山岩は地表に噴出されないうちに、結晶し始めた斑晶と、噴出後に短時間に結晶した石基とからなっている。堆積岩は水により選別されているので、粒がほとんど同じである。変成岩は熱や圧力により、片理構造ができたりする。
2) 結晶が作られる時は、温度が最も重要な因子である。溶液が十分あってゆっくり冷やされるならば成長する時間は長くなり、結晶は大きくなり、急冷されれば大きくなるゆとりはない。
3) 地下の深所は温度も地上に比して高いので急激には冷えず徐冷する。地表では急冷するので結晶は大きくならない。
5 留意点
(1) この実験では、目標が「岩石の組織は成因によってきまる」ことであるから、プレパラートは、成因毎のものを選び、成因による特徴を理解させるようにしたい。
(2) 簡単に理解できる造岩鉱物の判定は、岩石鑑定の基礎であるから、無理のない範囲で理解させる。