高等学校「理科1」のてびき-099/133page
6) 特徴があって、わかり易い鉱物を調べてみよう。
1) 斜チョウ石
柱状の鉱物で、しまもようをしている、プレパラートを動かすと、稿模様が、次つぎと変わるものや、周囲から中央に変わるものなどがある。
2) 造岩鉱物のへき開(われ目)の性質から鉱物を判定してみよう。
・ ウンモ
ー定方向にのみ、はっきりわかるへき開がある。
・ カクセン石
二つの方向に、へき開があり、交る角度のうち鈍角のものの大きさは、124°で菱形に見える。
・ キ石
二つの方向のへき開の交わる角は88°である、したがって、その形は正方形の図案のようである。
4 結果と考察
(1) 観察の結果をケント紙か、画用紙を使用してスケッチしてみよう。
(2) 岩石によってこのような組合わせや、粒の大小がちがってくる理由を考えてみよう。
(3) 冷え方がおそいか速いかによって、結晶の大小がきまる。その理由を考えてみよう。
(4) 地下の深い所と、地表で冷えるのとで結晶の大小がちがう、その理由を考えてみよう。
5 留意点
(1) 鉱物顕微鏡や、偏光装置付拡大鏡が無い時でも、鉱物の多色性、へき開、形などは、生物顕微鏡を使っても観察することができる。
(2) また、教師用の生物顕微鏡に、顕微鏡偏光装置を付加すれば、高級な鉱物顕微鏡と同じに使用できる。
6 その他
造岩鉱物の実験には、この外、ロームから重鉱物を分離する方法・カコウ岩の風化物から鉱物を選びだす方法・会津シラスや、軟質の砂岩から鉱物をとりだす方法などがある。