高等学校「理科1」のてびき-105/133page
(4) 前もって、容器に温度計のさし込んだゴム栓をした時、容器から水があふれ出ない程度の水量を調べておく。
(5) 日射計にみたす適量の水の体積をメスシリンダーではかる。はかった水は容器に入れ、温度計のさし込んだゴム栓をし、遮へい箱に日射計をセットする。
(6) 遮へい箱にはふたをし、日なたに出し、遮へい箱の影を見ながら、ふたが日射に対して直角になるようにおく。
(7) 測定開始前に水温をはかる。ふたをとり、測定を開始するが、1分ごとに水温をよみとり、10分間の水温の変化をはかる。温度計の目盛りは1/10度まで読みとる。
(8) 測定中の天気や雲のようすを、例えば、うす雲がかかる。積雲の端に入る。…と具体的に測定時刻ごとに記録しておく。
4 結果と考察
(1) 測定期間中で、水温の上昇のもっとも大きいときの1分間に太陽から受け取った熱量を求め、ついで、受光面1cm2あたりの1分間に受け取った熱量(直達日射量)を求める。
(2) 生徒の実態に応じて、発展実習として、太陽常数を求める。
太陽常数=直達日射量÷大気の透過率÷雲の透過率〔cal/cm3・min〕
資料
雲の透過率(太陽付近に雲がない時は、透過率100%)
絹雲 絹層雲 高積雲 高層雲 層積雲 層雲 乱層雲 85% 80% 50% 40% 40% 25% 20%
大気の透過率
地点 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 札幌 0.70 0.67 0.68 0.63 0.65 0.60 0.63 0.66 0.68 0.66 0.69 0.76 根室 0.78 0.75 0.73 0.67 0.68 0.67 0.68 0.68 0.72 0.74 0.77 0.70 秋田 072 0.71 0.68 0.66 0.66 0.66 0.67 0.66 0.69 0.73 0.76 0.80 宮古 0.77 0.73 0.70 0.66 0.64 0.65 0.63 0.61 0.69 0.72 0.76 0.76 輪島 0.76 0.73 0.67 0.64 0.61 0.62 0.62 0.62 0.66 0.73 0.74 0.74
5 留意点
(1) 温度計の感部が日射計の容器の内壁にふれないようにする。
(2) 太陽の動きに合わせて、遮へい箱を調整する。
(3) 日射計の容器は市販されている水道の鉄管を長さ20cmに切断して用いるとよい。
(4) 日射計の容器のみで実験すると、数分後に容器自身の放射が始まり温度の上昇が急に下がるので、ぜひ遮へい箱を用いる。遮へい箱はベニヤ板で自作する。
(5) 太陽高度の高い季節や時刻にできるだけ実施する。