高等学校「理科1」のてびき-115/133page
(演示実験) 1 ストロボを用いた運動の観察と解析
1 ねらい
マルチストロボ装置を用いて落体や、斜面上の物体の運動を観察したり、写真を撮影してその写真による運動の解析をおこない等加速運動についての理解を深める。
2 準備
マルチストロボ装置、光をよく反射する球や台車など、スタンド、台、バックにする黒布、スケール、カメラ
3 方法
(1) 暗室内で運動物体(球や台車)にマルチストロボによる光を当て観察させる。
(2) カメラで運動を撮影する。(写真1、2)
4 考察
写真1は落体をストロボで撮影したもので、写真に写しこまれた目盛りによって、各瞬間の物体の位置釘を求める。それには、物体の像の上端あるいは下端の目盛りを読むようにする。この場合は球に黒点をつけ回転しないように球を落下させている。カメラとの距離を遠くできない場合は黒点で読みとることによって視差によるデータの違いをなくすことができよう。ここで求めた物体の閃光時ごとの周期△tで、目盛の差△xを割れば平均の速さが得られる。またさらに相次ぐ平均の速さの差△Vを△tで割ることによって、平均の加速度(重力加速度)gが求められる。次の表は解析結果を示したものである。発光周期は写真1、2とも1/30Secである。
番号 位置〔cm〕 位置の差△x〔cm〕 速度〔cm/S〕 速度の差△V〔cm/S〕 加速度〔cm/S2〕 1 37.5 2 40.7 3.2 96 3 45.0 4.3 129 33 990 4 50.5 5.5 165 36 1080 5 57.1 6.6 198 33 990 6 64.8 7.7 231 33 990 7 73.5 8.7 261 30 900 8 83.4 9.9 297 36 1080 9 94.3 10.9 327 30 900 10 106.3 12.0 360 33 990 11 119.4 13.1 393 33 990 平均(cm/S2)