高等学校「理科1」のてびき-120/133page
(演示実験) 5 運動方程式
1 ねらい
記録タイマー、力学台車、バネ、おもりを用いて、台車の加速度と糸の張力を定量的に測定することによって運動方程式が成立することを確かめる。
2 準備
記録タイマー、力学台車、バネ、ものさし、滑車、30g位のおもり、糸、タイマー用電源、C形クランプ、接着テープ、タイマー用テープ。
3 方法
(1) 図のように水平な、なめらかな台の上に台車をのせ、台車後部にタイマーテープ、台車前方下部にものさしを接着テープでとりつけ、その上にバネの一端を固定する。バネの伸びがものさしで計れるようになっているかに注意。バネの他端に糸を結び滑車にかけ、その先におもりm〔kg〕をつるす、バネ、糸を滑車にかけたとき水平になっているかどうかに注意。
(2) 台車を固定しているときのバネの伸びx0〔m〕を求める。バネが伸ばされたとき自然長が変わったり、自然長に比べて伸びが1/10以上になるようなバネは使用できないので注意する。
(3) 台車を1m位移動できるようにし、車止めをほどこして置く。
(4) 台車を自由にして測定する。動きはじめはバネが縮むので(糸の張力が減る)バネ振動が残るからテープの始めの方はデータとして使用できない。
(5) 台車が動いているときのバネの伸びx1〔m〕を読む。動いている時に読みとるので熟練が必要である。台車が早く動きすぎるときには台車におもりをのせるか、つり下げたおもりを軽くすればよい。いづれにしてもバネの強さも関係するので注意する。
(6) ものさしとバネのついた台車の質量M〔kg〕を測定する。
4 考察
(1) バネの伸びから張力T〔N〕を求めさせる。
バネ定数k=mg/x0=T/x1
(2) テープを台紙にはり加速度a〔m/S2〕を求める。
i) Ma=TからMa値を実測値と比較させる。
(3) ii) ma=mg-Tからg〔m/S2〕を求める。
※摩擦、滑車の質量が無視できるとき理論値と一致することを理解させる。
(4) この実験で求めた加速度aと、おもりの重さと同じ張力で台車を引いたときの加速度a'をくらべるとa'>aとなることを実験して見せるのもよい。