高等学校「理科1」のてびき-126/133page

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(演示実験) 11 ナトリウムと塩素に関する実験

1 ねらい

化合物の性質は成分元素の単体の性質と著しく異なることを、ナトリウムと塩素の実験によって理解させ、化学変化についての興味を喚起させる。

2 準備

金属ナトリウム、さらし粉、6M塩酸、0.1M硝酸銀溶液、石灰水、銅線、三角フラスコ(200ml)集気びん(250ml)、コック付滴下ろうと、燃焼さじ、へら付ガラス棒、スライドガラス、顕微鏡、草花、ガラス管

3 塩素の実験について

(1) 実験方法

実験方法

1) 図1(1)のような気体発生装置を組み立て、三角フラスコにさらし粉を約10g入れて、滴下ろうとをはめる。次に滴下ろうとに6M塩酸を入れる。

2) 図(2)の三角フラスコには、不純物の塩化水素を除くために、約100ml の水を入れ、誘導管をつけた後(1)と(2)をゴム管で接続する。

3) 滴下ろうとから、少しずつ塩酸を滴下きせながら、塩素を発生させる。

4) 発生させた塩素を(ア)(イ)(ウ)の3本の集気びんに捕集し、集気びんにガラスの蓋をしておく。

5) 塩素の発生が終ったら、誘導管の先端を石灰水の中に入れ、塩素の放出を防止する。

6) 捕集した(ア)(イ)の塩素について次の実験を行う。

(ア) 草花や軟かい植物の葉を集気びんの中に入れる。

(イ) 銅線を加熱した後、ただちに集気びんの中に入れる。

※ 激しく反応する様子を観察させたら、すぐに銅線を集気びんよりだして、集気びんに蓋をする。

(2) 実験結果

1) 実験6)(ア)について

草花や植物の葉が漂白される。漂白は、下記の反応で生じた次亜塩素酸(HClO)の酸化作用による。  Cl2+H2O⇔HCl+HClO

また、塩素の殺菌作用もこの次亜塩素酸の酸化作用によるものである。


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