研究資料分類基準G2-04高等学校社会科「現代社会」の研究-125/170page
資料2) 親から見た青年○ 労働の尊さを意識せず,どちらかというと,レジャーの方に関心がある。
○ 自分の意志を通すために,周囲のことを考えない傾向がある。
○ 独善的で,自己中心的な点が多い。
○ 激情に走りやすく,時に正邪是非の判断を失うことあり。
○ 道徳の変遷もあり,退廃的行動を好む面が多い。
○ 忍耐力に乏しく,物質的その他に対し,何事にも満足したい欲望が強い。
○ 自己主張が強すぎ,権利と義務とが結びついていることを自覚するものが少ない。
○ 他人指向型の人間が多く,流行に振りまわされる。
○ 案外チャッカりしていて,他人に対する迷惑を気にしない。
○ 礼節に欠ける。
○ 社会や人の和,秩序について思慮が乏しい。
○ 判断力に欠け,大局的な把握力に乏しい。
○ 責任感がない。
○ 矛盾の解決については完全主義であり,パーセント主義の妥当性がわからない。
○ 権利の主張と義務の履行がアンバランスになっている。
○ 物事を深く追究しない。
○ すべての点で間口が広く,奥行きが狭い。
○ 常識がない。常識を軽視する。
○ 考え方も行動もその日暮しで,自分の将来に理想をもっていない。
○ ことばがきたなく,かつ,ひじょうに貧しい。
○ 物事に感謝の気持がない。
○ 目上の人に対して,ことばづかいが悪い。
以上指摘された欠点は,大きくわけると,青年という年齢の未熟なこと自体からくるものと,今のおとぼが育った時代と現代の青年が育った時代とのちがいからくるものとの二つのタイプになる。
第一のタイプの欠点は,たとえば,
独善的で,自己中心的な点が多い。判断力に欠け,大局的な把握力に乏しい。常識がない。常識を軽視する。
などで,これらの欠点は,今のおとなたちも,その若い時には持っていた欠点であるといえよう。
第二のタイプの欠点は,たとえば,労働の尊さを意識せず,どちらかというと,レジャーの方に関心がある。忍耐力に乏しく,物質的その他に対し,何事にも満足したい欲望が強い、他人指向型の人間が多く,流行に振りまわされる。考え方も行動もその日暮らしで,自分の将来に理想を持っていない。
などで,これらの欠点は,ことに現代のレジャー文化,大衆社会状況,皮相な個人尊重主義,アノミーなどから生じたものであろう。(『現代青年の意識と行動』1西平直喜編 大日本図書 P145〜147)