研究資料分類基準G2-04高等学校社会科「現代社会」の研究-136/170page

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資料3) 科学の発見した真理と人類の平和

哲学者ラッセルと物理学者アインシュタインは,1955年7月に共同声明を発表し,核戦争による破滅を防ぐことが現代の人間にとって共通の急務であることを強く訴えた。日本においても,こうした精神を受け継いで,1962年5月に京都で第1回の科学者会議が開かれたが,その時の声明のなかには次のような言葉が見出される。
「科学は私たちの生きている世界に内在する真理の発見によって,人類に貢献してきました。しかし科学にもとづいて技術的に実現しうることのすべてが,人間にとって,また人類全体にとって望ましいものとはいえません。科学の発見した真理を,人類の福祉と平和にのみ役立てるためには,科学者をふくむすべての人が,科学の成果の誤用,悪用をふせぐことに不断の努力をつづけねばならないのであります。」

(『現代哲学入門』有斐閣 山崎正一編 P123〜124)

資料4) 学問のよろこび

一 子曰く学んで時に習う,亦説ばしからずや。有朋,遠きより方び来たる,亦楽しからずや。人知らずして慍らず,亦君子ならずや。
子曰 学而時習之,不亦説乎,有朋自遠方来,不亦楽乎,人不知而不慍,不亦君子乎
先生がいわれた。
「ものを教わる。そしてあとから練習する。なんと楽しいことではないかね。友だちが,遠くからそろって来てくれる。なんとうれしいことではないかね。他人が認めないでも気にかけない。なんとおくゆかしい人柄ではないかね」

(『世界の名著』孔子・孟子 中央公論社 P59)

資料5) ほんとうの勉強はねえ

これからの本統の勉強はねえ
テニスをしながら商売の先生から
義理で教わることでないんだ
きみのようにさ
吹雪やわずかの仕事のひまで
泣きながら
からだに刻んで行く勉強が
まもなくぐんぐん強い芽を噴いて
どこまでのびるかわからない
それがこれからのあたらしい学問のはじまりなんだ
ではさようなら
……雲からも風からも
   透明な力が
   そのこどもに
   うつれ……

(『稲作挿話』宮沢賢治詩集 新潮文庫)


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