研究資料分類基準G2-04高等学校社会科「現代社会」の研究-159/170page
基本事項
次に示したものは,市場のしくみと政府のはたらきについての基本事項です。 1 市場と価格 資本主義社会の経済は,一般に市場経済とよばれます。こでは,生産者は利潤を求めて財貨(人間が生活するうえで役だつもので有形なもの)・サービス(人間が生活するうえで役だつもので無形なもの)を生産し,自らの必要に応じてこれを購入します。この財貨・サービスの売買を通じて生産者と消費者を結びつけるものが市場であり,この市場での財貨・サービスの売買のなかだちをする手段が貨幣です。この貨幣と財貨・サービスの交換比率が,価格です。
2 価格のうちわけ 価格の中には,生産価格・卸売価格・小売価格などがあります。
小売商利潤 小売経費 卸売商利潤 卸売経費 生産者利潤 生産費 生産価格 卸売価格 小売価格
3 価格と物価のちがい 私たちは,日常生活でさまざまな品物を買っています。個々の品物にはそれぞれのねだんがあります。たとえば牛肉100g320円,大根1kg120円,ワイシヤツ1枚2,800円,バス代1回100円といった具合です。このような個々の品物のねだんのことを価格といいます。
ところで,これらの品物のねだんは,高くなったり安くなったりまちまちの動きをします。いろいろな品物のねだんがのきなみに値上がりしたり,あるいは値下がりした品物があっても,値上がりした品物のほうがたくさんある場合などには,私たちは物価が上がったと感じます。いいかえれば,物価というとき,私たちは,たくさんの商品やサービスのねだん,つまり個々の価格を総合して考えています。昨年までは千円でこの程度の買いものができたのに,いまはわずかなものしか買えなくなった,そう感じたとき私たちは物価が上がったと意識します。このことは,それだけおかねの価値が下がったことにもなるのでしょう。
このように物価ということばは,たくさんの商品やサービスを総合した平均的な概念として用いられますので,物価そのものは,何円というようにおかねの価値であらわすことはできません。また私たちは,物価が上がったというとき,例えば,昨年とくらべて,あるいは先月とくらべてどうかというように,ある時点とくらべて考えています。そこで,