-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-013/231page

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 約2万年前以来,海面は上界し,約6000〜7000年前には現海面より5〜7m高い位置に達しました。そのため,海は今よりも内陸に進入しました。考古学上で縄文時代早期に当たります。

 この海の進退は,相対的な土地の隆起や沈降現象となり,河川の浸食営力の激しい時期や弱い時期という形で現れ,浜通りには5段の段丘が形成されました。

 この時期の日本列島の各地に部分的な上昇・下降運動がみられ,上昇部分は山地に,下降部分は盆地になりました。福島県土でも新第三紀の終りごろ,白河―盛岡構造線(南北方向に生じた裂け目の一つ)より西の部分では地殻変動が起り,その一部が沈降して現在の盆地の原型ができました。その後も山地は隆起を,盆地では沈降が続き,周辺の山地から運びこまれる土砂は厚くつもりました。

 一方,隆起を続ける奥羽山地では,洪積世中期(80万年〜15万年前)ごろ,猫魔火山の噴火活動が始まり,続いて磐梯山の火山活動が,また,20万年前ごろには東吾妻火山や安達太良火山の噴火活動も始まり,県内に広く噴火による降灰がつもりました。


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