-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-029/231page

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 3)板の上に砂やレキなど大きさの違うものをのせ,水中に沈めて流され方を,調べてみる。

 4)川原につもっているレキの並び方を注意して観察する。並び方には一定の規則性がみられるが,このような状態はインブリケーション(レキの覆互状構造)とよばれる。どうしてこのような状態ができたのか考えてみる。

 5)川原のでき方や川岸のけずられ方,川の深さなどについて,流水のはたらきと関係づけてまとめてみる。

(4)川原のレキを調べる。

 川原で,レキのつもり方が平均している所を選んで,1m四方の方形枠を置く。

 方形枠内の長径5cm以上のレキをすべてビニルシート上にとり出す。(表面にみえるレキのみ)
須川の八木田橋付近

 1)レキの大きさで分ける。

 レキの大ききによって,5〜10cm,10〜15cm,15cm以上に分け,その数を調べる。

 2)レキの形で分ける。石の形で,まるい石,ややまるい石,角ばった石に分けてその数を調べる。

 3)川原のレキの多くは安山岩,凝灰岩で,須川の上流に位置する吾妻火山帯は,このような岩石からできていることが推定できる。

 4)調べた結果を表にまとめる。
大きさ(cm) レキの形 種類
5〜10 10〜15 15以上 亜円 安山岩 凝灰岩 硅岩
48 12 7 17 46 4 52 6 3
72% 18% 10% 25% 69% 6%      

 須川の上流でも同じようにしてレキを調べ,この資料と対比させることによって,流水のはたらきを一層よく理解させることができます。

 上流の荒川の様子(土湯小学校)と比較すると,流水のはたらきによる地形の違いが,よりはっきりしてきます。


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