-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-032/231page
その上に角レキを含む(C)層がつもり,更に,赤かっ色を帯ひた(D)層がつもってできていることを理解する。
4)道路沿いに(B)層を追ってみよう。大きくわん曲しながら,水平方向に広がりをもってつもっていることを理解する。
(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。
(A)層を触ってみると,クレンザーのような手ざわりがします。これは細かい砂(シルト)だけでなくて,火山灰が混じって水中につもったためです。
(B)層は5cm大の白っぽい,ガスが逃げたときの通路が穴となってたくさん残っている軽石を含んでいる,軽石凝灰岩です。
(C)層は茶黄色を帯びた角レキを含む凝灰岩がつもってできた角レキ凝灰岩。
(D)層はがけの最上部に観察される赤かっ色の火山灰が,風で運ばれてきてつもってできたローム層です。
このがけで観察された(A),(B),(C)層は,新第三紀の末の鮮新世の地層で,当時現在の福島盆地の南縁部にあたる伏拝から蓬莱一帯が盆地状の低地となって,周辺から土砂が運ひこまれつもってできた地層です。その後,この一帯は隆起し,沖積世に入って吾妻山の噴火活動が始まり,その火山灰が西風で運ばれ,(C)層の上をおおうようにして(D)層がつもりました。