-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-039/231page
向に広がりをもってつもっていることを理解する。
(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。
川床からつづいている岩盤の平らな面は地層面です。地層は灰白色をしており,ハンマーでたたくと,葉理面に沿ってうすく割れやすい性質をもっています。
地層は砂と粘土の中間ほどの粒がつもってできたシルト層で,地層の表面にウニの化石が多く見られます。タガネなど準備して化石の採集も楽しいです。
また,がけの地層に目を向けると,川床の一枚岩から一変して,細かくくだけやすい地層が水平につもっています。がけには大きな割れ目などもあり,割れ目に沿って白っぽい粘土(断層粘土)ができています。このがけの地層もシルト層で川床に見られる一連の地層ですが,地層がつもった後の地かく変動で破砕されたためです。
ここで観察される水平方向につもっているシルト層は中新世の終わり頃の,会津地域も中通り地域もまだ海底だった頃につもった地層で厚さは500mにも達し,新第三紀末から第四紀にかけての隆起運動でできたもので,現在では土湯峠でも同じ地層が観察されます。
2、川原のようすと流水のはたらき
(1)調べる場所
山水荷前の荒川
(2)荒川にかかっている山水橋から川岸や川床のレキのようすや,水の流れ方を観察する。
1)荒川の全景をスケッチする。
2)川床はがけで見られる一連の地層からできている。