-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-052/231page
ていることを理解する。
4)また,対岸のがけに,傾斜して重なっている地層が観察される。下流に沿って地層を追ってみる。地層は層理に沿って広がりをもってつもっていることを理解する。
(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。
(A),(C)層は白っぽいやわらかい粒が多く見られます。この白っぽい粒は軽石と呼ばれる火山砕せつ物です。この2つの地層は共に火山灰が海底につもってできた地層で,地層に含まれる軽石の特徴を生かして軽石凝灰岩層と呼ばれています。
(B)層に触ってみるとクレンザーのような手ざわりを受けます。この1mほどの厚さの淡黄色の地層は火山灰が海底でつもってできた地層です。(D)層は砂と粘土の中間の大きさの粒がつもってできた地層で,シルト層と呼ばれます。色は灰白色をしており,80cm以上の厚さをしています。
ここで観察された地層は中新世の前期(約2500万年前)に海底につもったたい積層で,近くで二枚貝の化石やレピドシクリナと呼ばれる有孔虫の化石が産ケ沢沿いに採集されます。
2、川原のようすと流水のはたらき
(1)調べる場所
御滝山不動院の下を流れる産ケ沢
(2)参橋の近くの一段と高い所から,川の流れや,川原,岸辺のがけのようすなどを観察する。
1)水の流れ,川原,川岸ががけとなっている所など,川全体をスケッチする。