-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-054/231page

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の白っぽい軽石を含む灰白色の(A)層や,白っぽい(B)層,水を含んで暗灰色に見られる20cmほどの厚さの(C)層などがつもってできていることを理解する。

 4)がけに沿って(C)層を追ってみる。地層は水平方向に広がりをもってつもっていることを理解する。
幡門場の石切場

(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。

 (A),(C)層は10cm〜3cm大の白っぽい軽石と呼ばれる火山砕せつ物で,ガスの逃げたときの通路が穴となってたくさん残り,ガサガサとしてやわらかい塊と,砂と粘土の中間程の大きさのシルトと火山灰が混ざって海底につもった地層で,シルト質軽石凝灰岩からできています。この岩石は十分固結していないので,細工もしやすく,国見石として,県北一帯に大谷石と並んで多く用いられています。

 (B)層は1mほどの厚さの地層で,火山灰とシルトが混じって海底につもってできたものです。色は白っぽく,十分固結しておらずシルト質凝灰岩と呼ばれます。

 (C)層は水分を含んで濡れており,暗灰色をしています。地層の厚さは20cmほどで,火山灰と砂が混ざって海底につもってできた凝灰岩質砂岩層です。

 これらのたい積層は中新世の終わり頃,海底の深さも次第に浅くなってきていた時代につもってできた地層で,穴原温泉の摺上川沿いのがけの地層と対比されます。


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