-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-087/231page

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名の部落も近くにあります。これらの地層は新第三紀中新世の中期から半ばにかけて,当時の海底に積もったもので,海底火山も盛んで多量の火山灰が海底の土砂と混じり,塊状灰白色軽石凝灰岩層や,凝灰岩質細粒砂層を作りました。

(4)キノコ岩のでき方

 キノコ岩の広場でキノコの並び方や,傘の,奇さに何か規則性がありませんか。

 広場から見てキノコの傘の高さは低いグループと高いグループの2つに分けられます。更に,キノコは一列に並んでいます。並んでいる方向は北の方向から東へ80°の方向に一列に行儀よく並んでいます。また,高いキノコ群と低いキノコ群の境は,それぞれのキノコの境の方向とも同じく,およそ東西方向で,方向性があります。

 この2つの割れ目の方向は,郡山盆地構造ができる際の地かくの変動で,地層に加えられた圧力で地層に割れ目が出来たのです。特に大きな割れ目は断層と呼ばれ,地層は上下や左右にずれます。背の高いキノコ群と低いキノコ群は,断層による地層の上下のずれによって生じました。

 一方,浄上松公園に債もっている凝灰岩はもともとやわらかく,風化されやすい性質がありますので,地層内にできた2つの方向の割れ目に沿って,風雨等による浸食・風化が進み,キノコが独立して立っているようになりました。
キノコ岩のでき方

浄土松公園内のキノコ岩附近


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