-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-101/231page
理面の方向や,地層の厚さ,色など気付いたことを書き入れる。
3)この高台は,淡黄色の水平に近い地層が重なってできていることを理解する。
4)また,この地層を水平方向に追って見る。地層は横に広がりをもっていることがわかる。
(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。
(A)岩は一般に白河石と呼ばれています。白っぽく,かたい岩石で,やや水平方向に岩石の割れ目(節理)が発達しています。この白河石は石材として広く利用されています。
(B)層は,ほぼ水平に積もった淡黄色の地層です。指で触ると,川原で見る砂の外に,細かいクレンザーのような感じも加わります。これは砂に火山灰が混じっている地層で,凝灰岩質砂層です。
また,地層には1cm大の白っぽい軽石と呼ばれる粒や,5mm大の角ばったレキが含まれています。
(A)岩は新第三紀の末から第四紀の洪積世にかけて噴出した,石英安山岩質の火砕流が,谷から低地へと火口から移動した際,その熱の逃げ方がおそいので,噴出した火山性砕せつ物の一部が溶けたために溶結凝灰岩となりました。
この白河石ができた後,郡山・須賀川一帯は湖となり,(B)層が(A)岩の上に不整合に積もりました。