-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-104/231page
(3)滝のでき方
乙字が滝を作っている岩石は新第三紀未の鮮新世に噴出した,俗に言う白河石である石英安山岩質溶結凝灰岩で
ある。
鮮新世のころの火山活動で噴出された石英安山岩質溶結凝灰岩の一部を浸食し,阿武隈川の流れができ上がったが,その後の変動で,川を横断する方向に断層が生じ,流れに落差ができ,滝となった。
軽石(浮石)
一般に水蒸気をとかしこんだ石英質分の多い地下で圧力のかかっているマグマが,高温のまま急に1気圧の空中に噴出したため,マグマにとけていた水蒸気がビールの栓を抜いだときのあわのように発泡がおこり,パンや発泡スチロールのような多孔質となり,白っぽいものが多い。