-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-106/231page
現在,がけの表面に見られる松の根は,数10年前は石の割れ目の中にあったが,がけが次第にけずられ,ついにがけの表面にでてきたのだろう。
(4)がけに近づいて観察する。
この白っぽい岩石に触って見ると,お風呂に用いる軽石のようなザラザラした感じがある。また,注意すると,やや黒っぽい筋のような模様が,一定方向に並んでいることがわかる。
この岩石は,俗に言う白河石で,火口から噴出した砕せつ物が高温の熱風と共に低地へ,山の斜面に沿って移動して積もったもので,高温のため砕せつ物の一部が融けたりした。この岩石は正しくは石英安山岩質溶結凝灰岩と呼ばれている。
ローム
有名な「関東ローム」はこれと似たもので,火山からふきだした火山灰や軽石が降灰してつもってできたものです。降ったばかりの新しい火山灰は黒色〜灰色をしていますが,長い間,地表で風化されると,酸化鉄のためかっ色になり,赤土と呼ばれている。