-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-123/231page
帯状の地層が,斜めにやや曲がった状態で所どころに見られます。がけの高さや,割れ目,はさまっている地層など気付いたことを書き入れる。
(3)このあぶくま洞のある小高い山は,白っぽい大理石の地層に,暗茶灰色のうすい(B)層がはさまるような状態でつもってできていることを理解する。
(3)大理石のおいたち
このがけに見られる(A)層や(B)層は古生代二畳紀ごろ,福島県全域は海底に沈んでおり,その海底につもった石灰質生物の遺体や泥,砂からできた石灰岩や泥岩や砂岩が,中生代末の花こう岩の貫入でその熱や圧力で変成され大理石(結晶質石灰岩)や,変成度の低いホルンヘルスに変わりました。
2、洞内の観察
洞内は非常に変化に富み,滝根御殿・竜宮殿・月の世界等,それらの空間造形にマッチした名がつけられており,天井からは雄大な鐘乳石が,また,足もとの岩場からは色彩も鮮やかな石筍が様々な形を見せています。
(1)鐘乳洞のおいたち
鐘乳洞は,石灰岩中に生じた割れ目などに入り込んだ地下水が,長い年月の間に石灰岩を溶かしてつくります。だから司司穴は,地下深くを流れていた川あとでもあり,ま
滝根鐘乳洞垂直分布模式図
洞の三層構造模式図