-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-132/231page
この岩石は一般には白河石と呼ばれ,石材として利用されています。正しくは石英安山岩質溶結凝灰岩と呼ばれています。
この岩石は新第三紀末の鮮新世から第四紀の洪積世にかけての火山活動で噴出した火山砕せつ物が,図のように火山の斜面に沿って,熱雲と一緒に低地に流れ下り,熱の逃げ方がおそいので,砕せつ物の一部は溶結してできた岩石で,場所によっては流れた方向を示す構造が観察されます。
(B)層は淡茶色をしたローム層で,近くの那須火山系の火山灰が西風で運ばれ雪がつもるように,谷には厚く,尾根にはうすく(A)層をおおってつもっています。
(A)層と(B)層の重なり関係は,A層が浸食されデコボコとなった表面に(B)層がつもっており,この様な重なり関係を不整合関係と呼びます。
白河第二小学校
1、地層の観察
(1)観察する場所
4号国道沿い福島いすゞモーター裏のがけ(鶴巻山)
(2)がけから離れて地層全体を観察する。
1)がけの地層が見通せる所からがけの全景をスケッチする。(いすゞモーター裏のがけか,がけの上の人家の近くのがけでも観察できる)
2)地層の重なり方に注意して,地層を書き入れる。その際,地層の色や厚さ,層理や,地層にはさまっているうすい地層など気付いたことも書き入れる。