-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-157/231page
山潟小学校
1、地層の観察
(1)観察する場所
安積疎水取入口附近のがけ
(2)がけから離れて,地層全体を観察する。
旧道ではあるが自動車等に注意。
1)がけの地層が見通せるようがけから離れて,がけの全景をスケッチする。
2)地層の色,層理があるかどうか,がけの高さなど,気付いたことを書き入れる。
3)この岬の山は,淡黄色をした無層理の塊状の硬い岩石がつもってできていることを理解する。
(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。
このがけの地層は無層理で,がけの表面は淡黄色を帯びていますが,内部は暗緑色の岩石で,上戸部落一帯に見られます。いわゆる上戸層の下部に相当する地層です。
1)地層に触ってみると,地層を作っている岩石は柔らかいか,硬いか。また,粒の大きさはどうかを観察させる。
この地層をつくっている岩石は凝灰岩質頁岩といって,会津や中通り一帯が中新世の始め(今から2600万年前)から沈降し深い海底となった当時,海底火山の火山灰と泥が混じって海底につもってできた岩石です。
2)このがけで観察した無層理で硬い凝灰岩質頁岩は上戸部落の北側の酸釜山一帯に分布しているので,がけの露頭を探して観察させ,地層は水平方向に広がっていることを理解させる。